株式投資をよく知らない人は「複雑そう」や「難しそう」というイメージを抱きがちですが、よく知ることで意外と身近に感じるものです。 たとえば、身の回りのモノやサービスを利用して生活をしています。そのモノやサービスをもっと良いものにするために企業は日々、努力をしています。 そのために掛かる資金が長期にわたって必要になってくるため、企業へ出資してくれる人を募集し、事業のための資金を調達します。企業へ出資してくれた人を「株主」、出資の証明書として付与されるのが「株式」と呼びます。調達した資金で利益をあげることを目的とした企業が「株式会社」です。
株主とは出資の証明書として付与された株式を持つ人です。株主は企業の出資者のうちの一人として3つの権利を持ちます。 1つ目が「議決権」です。株主は「企業の経営へ参加する権利」があり、株主総会への出席や議決権行使の提出を通して企業の重要な決議に参加できます。 株主総会とは「定款の変更」「取締役、監査役の選任」「会社の解散、合併」等の基本的な方針や重要な事項を決定する場です。 2つ目が「余剰金配当請求権」です。会社が得た利益の分配として、株主が所有する株数によって配当金等を受け取ることです。 3つ目が「残余財産分配請求権」です。企業の解散時に残った財産の分配を受け取ることです。 また、株主には責任もあります。それは「株主の有限責任」といい、企業が債務超過で倒産した場合でも株主は借金を肩代わりせず、出資した資金の範囲に責任が限定されることです。
株主総会の議決時は多数決で行われ、その投票数は主に株式の保有数によります。そのため、より多くの株式を持っている株主ほど企業の経営に多大な影響力を持ちます。 議決権行使には主に3つの意義があります。1つ目が株主利益の損失の防止と企業内資源の有効活用を経営者に促し、企業の持続的成長を図る。 2つ目が企業による情報の開示促進です。 3つ目が有効なコーポレート・ガバナンスの体制整備の促進です。 企業がよりよい未来になるためには、株主が議決権を行使し、企業と話し合うことが重要になります。