分散投資とは、投資金額を分散していくつかのものに投資する手法です。一つのものに投資するとなんらかの要因で投資対象の価値が下落した場合は、投資資金がほとんどなくなってしまいます。こうしたリスクを軽くするために行われる投資手法で主に、中長期の投資スタイルに向いています。
分散する手法は3点あります。まず1つ目は「時間的に分散する」方法です。投資の基本は「安く買って、高く売る」ですが、今買ったものがその後に値下がりするのか値上がりするのかは予測不能なため、「安く買う」のは実質不可能です。そのため、1度に全てを投資せずに、毎月分割して投資するなどの手法をとります。2つ目は「投資先を分散する」方法です。株式に投資する場合、投資先の企業が倒産するとその株式の価値はなくなってしまいます。そこで、1社の株式に全ての資金を投入するのではなく、複数の企業の株式に分散して資金を投入する手法をとります。見込みのありそうな株式に分散してリターンを狙うスタイルと、値動きが逆になる株式、例えば輸出企業と輸入企業に分散するスタイルがあります。3つ目は「投資商品を分散する」方法です。債券が上がる時は株式が下がり、株式が上がる時は債券が下がる、など値動きが逆になる傾向を持つ投資商品を組み合わせる手法です。外貨預金と円預金、もしくは国内債券と外国債券に分散する手法もあり、為替変動によるリターンを狙えるほか、本来の金利でのリターンも期待できます。
1つの投資対象の価値が下がっても複数のものに投資することによって、その1つの投資金額は全体に比べたら少ないので、あまり資産が減りません。また株式投資の場合は、投資対象の倒産や上場廃止、外貨の場合はハイパーインフレーションなどの、決定的な事態によるダメージを軽減させる意味合いも持ちます。 中長期間保持した場合、銀行金利を上回る程度のリターンを期待でき、リスクが少ない代わりにリターンも少ないです。また複数の分野・種類に投資する必要があるので、投資の販売手数料に多額の金額を必要とします。さらには自分の投資対象の運用状況を事細かに監視することも必要となり、資金を分散することに疑念の声を持つ投資家も多いです。